コールセンター(電話応対拠点)業務のアイティ・コミュニケーションズ(IT-Com、本社・大阪)
は、インターネット電話によるコールセンターを札幌市に開設、企業から受託した顧客対応
サービスを十月一日に開始する。コンピューターソフト開発のソフトフロント(同・札幌)
のネット電話技術を採用、客との会話をパソコンを使って画面と音声で行うのが特徴。
ネット電話によるコールセンターはまだ珍しく、注目されそうだ。
ITコムのコールセンターは札幌市東区北二四条東一五の賃貸ビル内に設置、
同社の札幌支社も兼ねる。東京に本社を置く情報通信、金融サービス関連の二社から
委託を受け顧客対応サービスを行う。二社の社名や業務内容については明らかにしていない。
従業員は全員正社員として採用する方針で、まず五十人でスタート、
来年四月には二百二十人体制に拡充する予定で、順次採用を進めていく。
従業員は、客と同じパソコン画面を見ながら専用回線を通じてマイクで会話を交わす。
ITコムは今年五月、関西で営業する通信機器販売・保守などのアイテム西日本(同・大阪)が
中心になって設立。コールセンター開設は札幌一ヶ所のみで、小金澤健司社長は、
札幌進出の理由について「お客と上手に会話できる優秀な人材が豊富」と指摘している。
さらに、「事業の主体は札幌。一年後には本社を札幌に移す予定」という。
売上高は二〇〇一年七月期で六億円を見込んでいる。
コールセンターは、企業から商品紹介や苦情受け付けなどの業務委託を受け顧客対応を
代行する拠点で、従来は電話による音声のやりとりだけだった。ネット電話の使用は有望視
されながらも、音声が遅れるなど技術的な問題で普及が遅れていた。
しかし、ネット電話の核となる技術VoIP(ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル)分野で、
ソフトフロントが昨年、世界最高水準の音質を可能にするソフトを独自開発したことから、
ITコムは「十分に実用に足る水準」(小金澤社長)と判断した。
ソフトフロントの高い技術水準も、札幌進出の要因となった。独自技術のあるIT(情報技術)
企業の存在が、新たなIT関連産業の呼び水となった形といえる。
北海道新聞 2000.9.5





