一般企業に代わって顧客の電話応対を行うコールセンター専業会社の将来性に着目。
2000年設立から七年で、オペレーター席千二百、年商三十五億の業界中堅に成長した。
インターネット技術を応用し、コールセンター内の私設構内交換機(PBX)をIPネットワーク化。
顧客との会話内容をデータベース化に記録しやすくなり、従来の回線交換型では不可能だった
光電話も対応可能となった。これら先端技術はソフト開発のビー・ユー・ジー(札幌)や
北大大学院の山本教授との共同開発で実現した。企業情報化協会(東京)の本年度IT賞で
「ビジネス革新賞」に選ばれた。道内企業の受賞は初めてで、非上場企業の受賞もまれだ。
小金澤社長は「設立当初は札幌ビズカフェに入り浸って仕事をしていた。情報技術(IT)に強い
札幌だから実現できたビジネスモデル。他の都市を選んでいたら、うまくいかなかっただろう」
と振り返る。オペレーターを原則正社員として採用しているのも業界では異例。
コールセンター業界では一人一業態の担当が一般的だが、同社では複数を担当する
「マルチスキル制」を採用。英・中・韓・ポルトガル語の四カ国語にも対応するなど、
専門性も追及している。また、記録媒体を備えず、サーバーに直接接続する
シン・クライアント端末でコールセンター業務を手掛けているため、情報漏えいの危険性が
極めて低い。プライバシーマークも取得した。下半身が不自由でも仕事に大きな支障がない
コールセンター業務の特性を生かし、障害者の雇用にも積極的だ。〇五年に開設した
岩見沢センターは、地元社会福祉法人「クピド・フェア」と連携、健常者と同水準の
給与体系を実現した。一方で業容の拡大をにらみ、営業拠点を東京・浜松町に開設。
五人の営業担当者を置き、札幌との二本社体制とした。通信会社の顧客対応を得意とし、
二十社の契約企業のうち半数が通信系が占める。
「今後は旅行や金融などの分野でも高い専門性を身につけたい」(小金澤社長)
コールセンター業界は大手専業五社が50%のシェアを占める寡占化が進み、
中堅各社の生き残りは厳しいが、小金澤社長は「ナンバーワンは無理でも、ITを駆使した
オンリーワンの地位を確立すれば勝負になる」と自信を見せる。
北海道新聞 2007.12.20





